木材は高温加熱処理により耐久性と寸法安定性が素晴らしく良くなります

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加熱処理の目的

木材に人工的な数百年の経年変化を与え、木材の耐久性を高くし寸法安定を良くする

加圧水蒸気下加熱処理木材

建築物に数百年使用された木材はセルロースの減少と吸湿排湿能力の低下が知られています。
セルロースの減少は木材を腐りにくくし、吸湿排湿能力の低下は木材の寸法安定性を良くします。
物質の変化を早めるには加熱し、変化を遅らせるには冷やす方法があります。人工的に木材(製材品)に数百年の経年変化を与えるには高温による加熱処理がありますが、木材では70℃を超える加熱処理は加熱温度と加熱時間を適正に管理しなければなりません。木材の加熱はリグニンの破壊は始まる230℃が限界となります。
木材加熱処理の研究で一定の成果を挙げたのがフィンランドのVTTです。VTTの加圧水蒸気による加熱処理木材は後にフィンランドサーモウッド協会によりサーモウッド(ThermoWood)と登録商標されました。

木材細胞写真の比較

サーモウッドはフィンランドで開発されたため、加熱処理される木材の樹種は欧州の植林木であるパイン(pine)やスプルース(spruce)が一般的です。また、欧州では製材品の色からパインをレッドウッド(Redwood)、スプルースをホワイトウッド(Whitewood)と呼んでいます。
サーモウッドの細胞組織は製材後350年経過した木材の細胞組織とよく似ています。
下記の3枚の写真を見比べてください。(出展:finnforest ThermoWood Handbook)

パイン加熱処理前写真1:パイン製材品

サーモウッド加熱処理写真2:サーモウッド加熱処理

パイン製材後350年写真3:パイン製材後350年

サーモウッドの加熱処理温度と加熱時間について:

フィンランドサーモウッド協会は、外構木材用加熱処理木材をThermo-D(約212℃)、寸法安定性を高めた屋内用加熱処理木材をThermo-S(約190℃)と呼んでいます。

加熱処理木材で重要なことは、加熱温度と加熱時間の組合わせです。加熱温度が150℃でも時間を掛ければThermo-Dと同等の耐久性のある(class2)加熱処理木材が生産可能です。
加熱温度を220℃以上としますと耐久性class1のサーモウッドができます。加熱温度が212℃でも時間をかければ耐久性class1のサーモウッドが生産可能となります。

加熱処理温度と加熱時間の組合せが重要であり、サーモウッドの生産技術は今後も発展すると思われます。加熱処理温度が高くなるほどサーモウッドの色は濃くなる傾向がありますがサーモウッド技術の向上により加熱処理温度が高くても薄い色のサーモウッドが生産できるようになりました。耐久性class1のサーモウッドも生産可能となりました。