フローリング先進国は置床施工へ移行しています。

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ラミネートフロアは置床施工が基本です

置床施工は床材を床下地材に固定しない施工方法です

置床施工の最大のメリットは、施工後のフロアが剥がせることです。

  • 釘や接着剤で床材を床下地材に固定しない施工は、床材の張替えが可能となります。
  • 床材が剥がせますと床暖房などのメンテナンスや取替えが容易にできます。長期優良住宅の想定寿命は100年です。床暖房パネルの寿命は100年はありませんのでメンテナンスや取替え時期が必ず来ます。
  • お子様の部屋の床板がお子様の成長に合わせて張替えができるようになります。

欧州では置床施工できる床材へ移行しています

  • 置床施工を可能にするには、精度の高い特殊形状のサネが必要です。欧州ではラミネートフロアだけではなく、複合3層フローリングにも精度の高い特殊形状のサネを付けたフローティングフロア(クリックシステム)が生産数の3割まで増大してきています。
  • 釘や接着剤を使用しない置床施工は、施工時間が大幅に短縮できるメリットもあります。



置床施工の施工ルール

置床施工には簡単な施工ルールがあります

  • 床材と床下地材を釘や接着剤で固定しない。(固定してはいけない)
  • 連続施工できる面積には限界がある。(例えば8mx12m)
  • 床下地材の精度不良は補修して一定の精度とする。(例えば不陸は1メートルで3mm以下)
  • 施工するフロアの周辺には適度の隙間を空ける。(例えば壁とフロアの隙間10mm)
  • 防湿シートを敷く。乾いていないスラブには施工しない。

施工ルール無視が施工後のクレームとなります

  • 施工後のクレームは、施工ルール無視が原因。(隙間を空けていない、部分的に床材と床下地を接着剤で固定している、床下地材に10mmの段差がある)
  • 施工ミスの原因は、施工説明不足が散見。(販売店の説明不足)
  • 他社ラミネートフロアの施工方法をした結果、サネを破損。(ラミネートフロアの施工方法は進化しています。最新式はハンマーを使用しません)

置床施工の施工ポイント(重要)

ラミネートフロアメーカーの指定する施工ルールを守る

  • ラミネートフロアメーカーの指定する施工方法には十分な余裕を含んでいますので、指定する施工では施工後のトラブルは皆無と思われます。
  • 当該施工ルールは、日本では守れない現場が散見されますので、『施工が簡単』などの宣伝文句は鵜呑みにすることは厳禁です。

ラミネートフロアメーカーの指定する施工ルールが守れない時のポイント

施工後のクレームは各社各人で対応していただきますが、メーカー指定施工ルールが守れない時は以下の施工方法を参考にしてください。

  • 壁際とフロアに10mmの隙間が設けられない(隙間を5mmなどとする)
    • 連続施工面積を狭くする。
    • 見切れる場所で見切る。例えば住宅では連続施工面積を部屋単位としてドアの下で見切る。
    • ラミネートフロアの膨張率を把握する。ラミネートフロアを水に浸けて1週間後の膨張率を測定します。この小試験で得られた膨張率で施工時の最低隙間を想定します。(ラミネートフロアは膨張率が低く曲りや反りが発生しないため置床施工ができる商品です)
  • 見切り材に合わせた隙間で施工する
    • ラミネートフロア専用の幅木や見切り材(アクセサリー)は、日本では採用しにくい商品です。欧州では置床施工の隙間に合わせてアクセサリーを選択しますが、日本では入手可能な幅木や見切り材に合わせた隙間で施工します。「見切れる場所で見切る」、「ラミネートフロアの膨張率を知る」はここでも必要な対応となります。
    • 大工さんが自作した幅木なども現場調達されています。
  • 発生するクレームを想定し、その修繕方法を考慮した施工をする
    • 熟練者の置床施工では、発生する確率は低いが発生するクレームが想定できます。クレーム発生時の修繕方法(例えば、幅木を外せるように取付ける)を考慮した施工をします。このような施工をした現場ではクレームは発生していません。

ハンマーで叩き入れる施工は極力避ける

ラミネートフロアのクリック施工はメーカーや商品により7種類の施工方法があります。
ラミネートフロアは接着剤や釘を使用しない施工ができる担保として加工精度の高さあります。このため、ラミネートフロア規格はサイズ公差や曲り反りの許容範囲は極めて小さい値となっています。

  • フロア長辺をハンマーで叩き入れる施工では、スペーサー(壁際の隙間確保)の役割が重要です。厚み5mmの合板などをスペーサーに使用しますと壁の曲りをスペーサーで補正することはできません。ハンマーで叩き入れれば反った状態でジョイントさせることがあり施工後フロア長辺に隙間が発生することがあります。
  • ハンマーを使用する施工ではスペーサーは0.5mmの精度で壁の曲りを補正できるものを使用します。ラミネートフロア専用のスペーサーはくさび形で2枚合わせで使用します。専用スペーサーは壁際の隙間(クリアランス)は10mmを想定し8mmから12mmの隙間を約0.5mm単位で変更できる代物です。このようなスペーサーを使用した時はフロア長辺をハンマーで叩き入れる施工は可能と思われます。フロア1列目を壁の曲りに沿ってカットする方法も有効な手段です。
  • ラミネートフロアの最新式クリック施工は、ハンマーを使用しない施工となっています。